まるきん第14回フカセ黒鯛王者決定戦【田中 孝典】 - ウキのキザクラ

Field Report

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まるきん第14回フカセ黒鯛王者決定戦【田中 孝典】

まるきん第14回フカセ黒鯛王者決定戦

まるきんフカセ黒鯛王者決定戦とは3月〜5月にキャノンボール方式(1尾の長寸)で予選を行い、予選通過者5名と前回チャンピオンの計6名で7月にトーナメント方式で決勝戦が行われる戦いです。
私は10年程前に予選会に3回参加しましたがいずれも予選敗退となりました。
その後は予選日と都合が合わず参加できていませんでしたが、今年は予選第1戦に参加することができました。

3月17日(日)午前4時にまるきん釣具本店で受付、開会式終了後に参加者の皆さんはそれぞれ思い思いの狙った釣り場へと展開していきました。
当日は南東の風が吹き、おまけに小雨模様で釣り辛い状況が考えられます。
1週間前からGoogleマップで釣り場を数ヶ所リサーチしており、当日の釣り場に決めた場所は、平戸橋の南部の小さな港、生向港です。

ここは北西向きで風を背中から受けられて釣り易く、また車まで近い為、雨が酷くなったら車に避難できる為、安全だと判断しました。
午後2時から3時までにまるきん釣具本店で検量になっている為、午後1時を納竿予定とし、午前6時過ぎに釣り開始。

水深が全く分からないので非自立棒ウキのみえ飛び波止に棚取り鉛をセットして波止先端付近の水深を調べます。

数投繰り返し水深は竿3本ほどだと分かったので、底付近を狙う為に全層ホルダー60に黒魂R00、ストッパー、スイベル、黒魂ハリス1.5号を2ヒロ、ハリスの真ん中にジンタン5号、チヌハリ3号をセットしました。

黒魂R2 EVO 【アール2 エヴォ】

全層 ホルダー60

黒魂ハリス

仕掛けが馴染んだらゆっくりとウキごと沈んで行くようにしています。
ツケエサはオキアミ生、ボイル、ネリエ、コーンを用意してローテーションしていきます。
平戸大橋向きに20m沖にマキエを打ちポイントを作ります。

3月の水温が低いこの時期は朝一から当たってくる事は少ないので周りのチヌを寄せるイメージで幅広く撒き始めるのが良いかと思います。
開始30分、オキアミ生を付けて投入した黒魂R 00が沈み始めて30秒後、バチバチッとラインが走りチヌ特有の引きが竿を曲げてくれました。

無事にタモに収まったチヌのサイズは44cmでまずまずのサイズでしたが、予選突破するには50cmクラスは欲しいところです。
まだまだ時間はあるので、同様に攻めてみるもののツケエも取られない状況が続き時間だけが過ぎます。

午前10時、湖の様に止まっていた潮がゆっくりと潮が流れ出しチャンス到来かと期待していると、1尾目より明らかに重量感がある魚が体感ショックでヒットしました。

中々の抵抗を見せたチヌは狙いの50センチクラスでタモへ収まりました。

その場で計測すると50センチは超えませんが体高があり風格あるチヌでした。

その後更なる大型を目指して時間いっぱい粘りましたがチヌは姿を現しませんでした。
まるきん釣具本店に戻り検量すると48.5cm2.0kgで3位となり予選通過ギリギリで決勝戦への切符を手にする事ができました。

 


7月5日、明後日に控えた決勝戦のプラに開催地である佐世保相浦港の三平丸にやってきました。

前日までの大雨により湾内はまだ濁っており、状況は厳しいだろうと船長から告げられます。

さらに南西からの強風も吹いていて場所が限られ、船長の勧めで一貫島で調査をすることにしました。

決勝戦で使える何らかのヒントを求めたいと思います。

風裏になる湾内向きに釣り座を構えて水深を測ると竿2本弱だった為、ゆっくりと全層沈め釣りで攻めようと黒魂kingの2Bにバランサーを貼り付けて沈下速度を調整します。

黒魂King [クロダマ キング]

Kzバランサー

水温が高い時期に入っている為、付けエサはネリエとコーンがメインになるとは思いましたが、オキアミ生、ボイル、ムキミも持参して状況を見ていきます。
まずはオキアミ生で様子を見ていきますが、ウキが沈み始めると同時にラインが走ります。

 

元気の良い引きでしたが、すんなり上がってきたのは23cmのクロでした。

続けてボイル、ムキミを付けて投入するもクロがヒット。

どうやらクロが餌取りの様です。

ネリエを付けて投入するとクロは喰って来ず底までエサは通る為、チヌが寄ってくればヒットするのではと期待が高まります。

次第に横から回り込んでくる風が強くなってきましたが、黒魂kingなら自重もあり、大きめのネリエでもポイントまで的確に投入できるので最近は手放せないアイテムとなっています。

開始1時間後、物凄い勢いでバチバチッとラインが走りました。

すぐさま竿を立てて応戦しましたが、グイグイと引きこれはデカイと確信してゆっくり竿にタメで寄せてくると、50オーバーの真鯛でした。

強烈な引きでラインブレイクが頭をよぎりましたが、黒魂ハリスは強く切れません。

頼りになるハリスです。

魚は色違いでちょっと残念でしたが、嬉しいお土産になりました。
その後、BS自立で底付近をトレースしたり、ウキを浮かせた全層にしたり、色々なパターンを試しましたが、ヒットしてきた2尾のチヌはネリエを付けて黒魂kingを使用した全層沈め釣りだけでした。

プラで決勝戦に向けての的確な「ヒント」を得る事が出来ました。

 


7月7日決勝大会当日がやってきました。
6名の選手が2組に別れて準決勝を3名で戦います。

3名中1名が勝ち上がり決勝戦を2名で闘います。

当日は南西の風が前日より強くなりまた、満潮時と瀬替わり時間が重なり危険との船長判断で2ヶ所の沖波止での開催となりました。

競技ルールは1時間の2ラウンドで釣り上げた2尾のチヌ、キチヌの総重量です。

競技開始5時30分、選んだタックルはバランサーを貼り付けた黒魂kingに黒魂ハリス1.5号です。

攻めるパターンはもちろんネリエを使った全層沈め釣りです。

ネリエを付けて投入し底付近を探り回収するまで3分〜5分としたら平均約4分。

1時間に15回、2ラウンドで計30回です。

30回しか投入がない為、オキアミ等の餌取りがヒットしやすいツケエサは捨ててチヌだけに的を絞ったネリエオンリーがベストだと判断しました。

水道側に近い釣り座の私は本流に引かれる潮探ると1投目からヒット!

しかし、抵抗は弱くチャリコでした。

全層沈めの仕掛けはそのままでバランサーを貼ったり、剥がしたり、ガン玉の調整で底付近へのアプローチを変えていきました。

しかし、前半の1ラウンドではチヌの当たりはありませんでしたが、対戦の方は1尾を仕留められていました。

2ラウンド目は波止中央に入り流れもあまり無い状況でしたので、手前から1投ごとに沖にポイントを変えていきます。

後半に入って40m沖のポイントを探っているとパラパラっとラインに当たりが有り、焦らずにちょっと待った後合わせを入れるとズシっと竿に重量感が伝わって来ました。

 

チヌ独特の引きで手前に来た時には足元のスリッドに突っ込む元気な体高のある魚体でした。

そして、そのままタイムアップ。結果は対戦者が800g、私のチヌが1550gで決勝戦に進む事が出来ました。


決勝戦の場所は湾内に浮かぶ浮波止です。

対戦者は前回のチャンピオン水本さんです。

優先権があった私は釣りやすい風裏になる湾内向きに釣り座を選び先手逃げ切りを狙います。

チヌが早く反応してくれる様にマキエをドカドカと撒き、準決勝同様の全層沈め釣りでネリエを付けて投入します。

投入後5分、回収しようとしたところ、違和感を感じた為、次の投入用のマキエを巻いた後に合わせを入れると早速ヒット。

姿を現したらちょっと白く真鯛かと思いましたが、タモに入った魚は40cmを超えた良型のキチヌでした。

1投目からヒットしたので期待しましたが、その後の当たりは皆無となり場所を交代し2ラウンドとなりました。

2ラウンド開始後は上潮が滑り釣り辛い状況でそのまま後半のラスト30分に突入しました。

すると潮が緩みだし湾内向きから沖向きに流れが変わった為、チャンス到来⁈と集中していると対戦相手にヒット!

こういったチャンスを逃さない前回チャンピオンは流石です。

残念ながらその後2人ともチヌの釣果は無く1対1となりました。

結果は水本さんが978g私が1124gと言う146gの僅差で勝利させて頂きました。


プラに行き状況把握して作戦を決め、実行して結果を出せた事で以前から欲しかったまるきんフカセ黒鯛王者のタイトルを獲る事ができ感無量です。


また、まるきん釣具のスタッフ様、三平丸様、参加された選手の方々、協賛メーカー様ありがとうございました。


キザクラフィールドテスター
田中孝典

使用タックル
竿      鱗海マスターチューン T08-530
リール BB-X ハイパーフォース
道糸  全層フリーダム セミフロート 1.75号
小物  クッションストッパー、スイベル
ハリス 黒魂ハリス1.5号
ウキ  キザクラ 黒魂king
ハリ  鬼掛 チヌ2〜3号