9月9日、長潮。秋口となり、磯釣り師にとっては待望のシーズンに入ってくる。残者が厳しい中、ジャパンカップクロダイの天草松島予選に参加する為、熊本県へと車を走らせた。
仕事が終わり、家に帰り二人の息子のご飯とお風呂を済ませ寝かしつけた時点でクタクタ。
しかし、今回向かう松島は始めて釣りをする場所なので、行きの4時間もワクワクしていた。
抽選を行い、番号は56番。
今回の参加人数は60名だったので後ろから5番目という相変わらずくじ運の悪さであった。
それに加えて参加予定人数に対して参加者が少なかったので、全国大会出場者は2名とかなり狭き門。
3便船なので回りの方の状況を聞くと、手のひらサイズのメイタとエサ取りが多く、4000g台で表彰台じゃないかとのこと。
いろいろな話を聞いていると船が着き、荷物を乗せて沖へと向かった。
シマノの百合野さんがポーターで、3便船が一番沖に向かうのでいいかもしれないとのこと。
期待をしながら向かった場所は永浦島の北側だった。
東から順に降ろしていき、降りた場所はかなり浅いポイントだった。
船着きは水深が多少あり、西側に行くにつれて砂地メインで所々に岩礁があるようなポイント。
西向きにかなり流れていたので左側から入ることにした。
まずは仕掛けを組んでいく。
浅くかなり流れがあったのでキザクラの黒魂king000でノーガンからスタート。
集魚剤はオキアミ2角に対し麦黒鯛2袋、生さなぎ黒鯛、底攻めズドン、チヌ煙幕を各1袋ずつ入れて遠投使用に練りこんだ。
競技がスタートして投入していくが3投目で違和感を感じた。
アタリはあるが穂先まで来ない。
リバーチヌの経験をいかしてすぐにジンタンの5を針から50㌢に打ち込み仕掛けをトレースしていく。
するとすぐにアタリがあり、前情報で聞いていたエサ取りだった。
地形変化があり、島々の間を流れる場所なので2枚潮になっている。
すぐに判断できたが遠投して流れの中を安定させても中々本命とは出会えなかった。
少し潮が緩んだタイミングで微かに糸の変化があり、35㌢クラスを釣ることができたが前半はパターンを掴めずその1尾のみとなった。
対戦相手の方は船着きで竿を出されて潮上となっていたが、足元は水深が私の場所よりあり、40㌢クラスを4枚釣られていた。
後半の優先権も持たれていたので、私は同じ場所で残り3時間戦うことになる。
打開策を見つけるべく、遠投をやめ、手前のカケアガリ沿いを狙っていく。
さらに複雑な流れになって2枚潮どころではなくなってきていた。
焦りもある中で突然アタリがあり合わせを入れたがカケアガリについている牡蠣で切れてしまった。
良型だっただけに悔しい気持ちがこみ上げる。
再度流していくがやはりアタリが小さい。
水道になっている場所なので5分に1回は船の往来がある。
その際にできる波で浅い私のポイントは足元から砂が舞っている。
観察しているとカケアガリからチヌが数匹飛び出し、舞った砂の煙幕の中からエサを拾ってカケアガリに戻っていくのが確認できた。
「やはり本命は手前にいる!」そう確信した私は大きく仕掛けを変更し、黒魂BS自立の0号に変え、練り餌を海底で転がして小さなアタリも拾っていくセッティングに変えた。
複雑に流れる潮でもウキから針までが直線になるように練り餌の大きさも親指大に大きく付ける。
目の前に仕掛けを入れて横流れを流していく。
潮のせいでアタリが取れていなかったのがウソのようにスパッと黒魂BSが海中に消えていく。
すかさず合わせを入れると重量感が竿を襲った。
浅く転々と岩があるので慎重にやり取りを行い、取り込んだのは45㌢クラスのチヌだった。
同じパターンで後半のみで8枚釣ることができ、なんとか40㌢オーバーで5尾揃えることができた。
選手の回収を終え、検量を行うと5171gで船内1位を取ることができた。
船は5便出船したので後の船の検量も気になるところ。表彰式までかなりドキドキしていた。
すべての船の検量が終わり、表彰式が開始。
すると名前が呼ばれ、全体2位で全国大会の切符を勝ち取ることができた。
コロナウイルスが流行し大会がなかった期間、引き出しを増やすために棒ウキで縦の釣りも練習をしてきた。
今回は信頼している集魚剤、ウキのおかげで突破できたのはいうまでもない。
ここからが本番だと思うので、信頼しているアイテムを持ち込み、全国大会でも暴れていきたいと思いながら帰路についた。