磯釣り師にとって待ちに待った季節がやってきました。
海といえば夏!!って感じですが、磯釣り師にとっては感覚が半年ズレてまして、こんな極寒の海に心躍らせるのは磯釣り師ならではの性かもしれませんね。
今回私が所属する『TEAM RIVARE』にて、年間ランキングを決める決勝トーナメントが五島で開催されましたので、頂点を獲るべく参戦してまいりました。
このトーナメントは、前年度覇者と年間予選の上位8名の計9名でセミファイナルを行い、そこから勝ち上がった3名でのファイナルを経て、その年の覇者を決定する対戦内容となります。
チームのメンバーにはメーカーのテスターも数多く在籍し、また全国大会の上位に食い込む方も多々いる為、身内大会といえど、そのレベルの高さは折り紙付きです。
昨年、一昨年と準優勝に甘んじていた為、今年こそは優勝杯を手中に納めたく、気合十分で出港地の丸宮釣りセンターさんに向かいました。
開会式後、セミファイナルの対戦相手をクジ引きで決め、丸宮船長の熟練の操船で向かった先は上五島の野崎島。
この日は北西風が強く入るため、風裏の瀬に降りていった形となりますが、それでも巻き込む風が強く、横波も当ててきます。
また、寒波の影響で棚が深いことが予想されたため、まず私が選んだウキは【PantherSINUS B】!
3ヒロ~竿1本ほどの中層から釣り始める作戦です。
仕掛けをセットし、戦略を頭に巡らせながら静かに待ち…東の空が明るくなると同時に開戦!
撒き餌を30杯ほど打ってポイントを作り、仕掛けを投入します。
【PantherSINUS 】は浮力Bでも13gあり、横風を受けてもしっかりと仕掛けをポイントに届けてくれます。
一番のお気に入りポイントである直径1㎜のアンダーキャッチリングの恩恵で、重心の低いホバリングが可能で、波の中でも感度良好です。
1投目からアタリがありエサが盗られたのでウキ止めを半ヒロ上げ、3ヒロに固定。
2投目…ウキが勢いよく入ります。
釣った魚の総重量ルールなので手早く魚をいなし、タモにin!
30㎝ほどの口太が釣れました。
棚を見つけてしまえば、ここからが勝負。
総重量ルールでは手返しの速さが勝負の鍵となります。
サイクルの早い釣りで、撒き餌を断続的に入れ、相手のよりも魚を多く集めることに集中します。
更に1、2枚釣れたところで対戦相手の方にも同型が釣れ始め、一気に釣り合いになりました。
40分ほどアタリが続き、2投1尾くらいのペースで各自魚を掛けます。
枚数では私が少しリードしていると思っていましたが、ここで対戦相手に大きな手ごたえ!
大きく弧を描く竿を焦って見ていると、明らかに50㎝はありそうな魚体が上がってきました。(後の計測では51.5㎝のBIG1!)
これは本当に焦る、、、50㎝を1枚釣られると、30㎝3枚分以上の価値があります。
ただ、良型が釣れるタイミングは周りの釣り人にも同様の型がアタることが多いので、更に遠投しサイズアップを狙うと…私にも重量感の違うアタリがきました!
このラウンドでは最後の1投だったので残り時間も考え、少し慎重に取り込んだ魚は43㎝の良型!
投入の距離を容易に選択できるPantherのお手柄です。
ここで釣り座を交代し、第2ラウンド。
先ほど50㎝オーバーが出たポイントに私が入ります。
最も北側のポイントで、ここでは風の当たりが強く、波の影響も先ほどよりありそうなので仕掛けの入りが悪くなることを想定し、ウキを【PantherSINUS 3B】に変更し、安定を図ります。
時間を割いてでも仕掛け変更を行ったことが功を奏して、1投目からアタリ!
先ほどのポイントでは30㎝が主体でしたが、こちらは最初から35㎝クラス。稼ぎ時だと判断しました。
撒き餌を投入前と投入後の挟み撃ちに変えて量を増やし、勝負に出ました。
すると35㎝クラスが先ほどと同じリズムで釣れ続け、かなり重量を稼ぐことに成功。
体力勝負となってきますが、気力を保ち釣り続けます。
このチャンスタイムが過ぎると、撒き餌が効きすぎ型が落ちてきました。よくあるパターンです。
ここで時間も少なくなってきたため、ポイントを変え大遠投。3Bのウキに変更していたので馴染みに問題はありません。
すこし時間をかけて流していると…ドン!
重量感たっぷりの引きで上がってきたのは45㎝クラスの良型!
ここでポイントを手放すわけにはいかないと思い、急いで次!急いで次!と頑張って釣ると、なんと3連続40㎝オーバーの確保に成功しました。
強風時、高波時に負けない【PantherSINUS】の再現性に脱帽です。
最後の釣り座交代を行い、第3ラウンドも良型こそ出なかったものの、この再現性を武器に遠投で攻め続け、重量をコンスタントに稼ぐことに成功しました。
運命の検量…なんと3時間釣果22㎏という自身でも驚く結果でセミファイナルの突破に成功しました。
魚信を伝えてくれたPantherに感謝!
そして、対戦相手に背中を押してもらい、移動の船に乗り込み、ファイナルの舞台『ガマ瀬』へ!
ファイナルの舞台で待っていたのは、ビックボス!
キザクラインストラクターの波多江さん!!
言わずと知れた超名手です。
もう一方、セミファイナルを突破した方と3人でファイナルを行いますが、この方がセミファイナルも『ガマ瀬』で釣りをされていたため、話を聞くと、とても渋いとのこと。先ほどの磯とは状況が違うようです。
だいぶ迷いましたが、一旦仕掛けをそのままにして釣りを開始することにしました。
さあ、運命のファイナル開始です!
…渋い!餌が全く盗られない。
しかも潮がダラッと流れ、収束する部分が無く釣り辛い…。
これはマズい状況です。
何がマズいって、こんな状態で波多江さんが突破口を開く姿をいつも目にしているからです。
波多江さんは隣で【DearG CORESSA!】を使い、沈め釣りを展開して喰い処を探しています。
如何にも釣れそう…真似しよ!笑
名人の方には皆さん○○釣法というのをお持ちですが、名人ではない私にも実は独自の釣法があります!!
その名も…『リスペクト釣法』!
私が編み出した(?)釣法です。
プライドなど無く名人の真似をする…悪く言うと『パクリ釣法』です。
全然独自ではありません。
でもこれが一番早い!笑
【DearG CORESSA! 00】に仕掛けを変え、少しでも潮の収束している部分を探しながら投入を繰り返すと…ウキが少し沈み多分3ヒロくらいで漂わせていた仕掛けがスッと探りの速度よりも早く海に消えました。
そっとアワセを入れると、ググっと魚の引き!慎重に慎重に寄せると40㎝有る無しほどのグレがタモに収まりました。
先制の1尾です。
このタイミングで隣の方にもアタリがあったため潮が少し良くなったか?と思い、急いで次の投入を行いましたが、潮の収束部を見つけては消え、見つけては消えの点での釣りになってしまいました。
なんとか1枚を追加し、釣り座交代。
私の釣り座に波多江さんが入ります。
第2ラウンドの私の釣り座はサラシと風の影響で釣りにくく、さらに横の波多江さんが気になります。
で、しばらくして心配が的中し、波多江さんが掛けました!
しかもデカい!!
美しいやり取りで釣りあげたのは50㎝近くある良型です。
しかもこれを釣り上げしばらくすると更に1枚追加!
同数でも重量で確実に負けています。
第2ラウンドでは波多江さんに逆転され、しかも1枚も追加できず終了。
泣いても笑っても最後の第3ラウンド!
CORESSAで様子を見ていましたが、更に風が強くなり、馴染みが悪い状態が続きます。
そして負けている時は時間の進みが早い…。
段々と残り時間が迫っている中で、海の状況を鑑み、最後の大博打に出ます。
選んだウキは【黒魂Accel 0.5号】を使い、ウキ止めを竿2本以上に設定。
上層~中層のアタリを捨て底層で付け餌を安定というか固定させる作戦に変更です。
撒き餌を3倍打つように心がけ、数投…ウキがモゾモゾっと入りました。
アワセを入れましたが魚が乗らず、エサだけが無い状態。
でも久々のアタリです。
もうこれしかないと思い、粘って数投同じことを繰り返すと、、、またウキがモゾモゾ…。
完全にウキが見えなくなるまで待って合わせを入れると最初の走りでドラグが鳴るほどの強い引き!
これはデカいと思い、しかも底層で掛けているため、あまり走らせると切られるのでドラグを締め、強めのやり取りで対応します。
瀬際に来てからも締め込まれましたが、何とか耐えて取り込んだ魚は45㎝はありそうな良型!
結局この1尾を最後に試合終了となりました。
帰港後の検量…最後の1尾が決め手となり、波多江さん2尾2,725g、私が3尾2905g!
僅か180g差で勝利!!
そして優勝を手にしました!!
最後の仕掛けはちょっとグレ釣りの常套と離れていますが、今回の優勝は、いろんな発想をしっかりと再現してくれるキザクラのウキのお陰と言えます。
長くなりましたが、皆さんもキザクラのウキを使って、ハイシーズンの海でご自分のイメージを試してみませんか?
きっといろんなウキが皆さんの手元に魚のアタリを届けてくれるはずです。
今回お世話になった丸宮船長、ありがとうございました。