2025年5月5日愛媛県上島町沖に浮かぶ「魚島」にて35歳以下に限定されたトーナメント「U35若手チヌトーナメント」が開催されました。
今大会は第3回を迎え、いつも来てくれる若手とは過去の対戦の話や近況の話、同世代ならではのライバル意識、新たに来てくれたニューフェイスとも親睦を深められ、多岐にわたり楽しめる大会です。
今回の会場となった「魚島」は瀬戸内海屈指の魚影を誇り、とりわけこのGW前後は例年チヌのノッコミ最盛期を迎え、「1日で数十匹のチヌが釣れた」「トーナメントの2時間試合で20kg釣れた」「50センチを超えるチヌが複数匹釣れた」という話もよく耳にする夢のような島です。
開会式も終え、広島県福山市内海町の港から「三上渡船さん」へ乗船し、いざ夢の島「魚島」へ向かいます。
道中は若手同士の親睦の場となり笑い声やこれから始まる試合の話が絶えず、あっという間に到着しました。
1回戦目の状況から例年より水温が低く、小潮で魚の動きが鈍いようで、チヌの個体数は十分にいることがわかるものの、例年の魚島の状況から推察すると活性が上がり切らず本調子ではない様子でした。
なので、以下の3タイプの狙い方で釣ってみました。
・潮が動くときは半誘導を主体に黒魂 アクセル0シブ~Bで25m前後の中距離を中層でサシエをフワフワさせる釣り
・遠投で狙う際は黒魂 DETで視認性を向上させアタリを立体的に見る釣り
・潮が緩んだ時はCORESSA FABULOUS 00でフォールの釣りで底付近を狙う釣り
この3タイプを主軸に頑張ってみました。
2回戦も同様の状況は続き、干潮間際とあって魚の活性はさらに低下したように感じました。
そんな状況の中、決勝戦進出は以下の3名になりました。
☆高須賀 祐太選手 ・香川県22歳
今大会最年少で第2回大会から若手グレトーナメントにも参加してくれている熱心な若手で、今大会のみならず各種大会で色々な人から意見を聞くなどして日々練習に励んでいました。
今回は朝から今日は棒ウキでやり通すと腹を括っていたようで、1回戦から最高釣果9匹8825gを叩き出し、2回戦では強豪を撃破し決勝戦へコマを進めました。
☆山元 優希選手 ・徳島県27歳
祖父にトーナメントの神様「山元八郎さん」、父に大型尾長の天敵「山元隆史さん」を持つ磯釣り界のサラブレッド。
大胆な仕掛け変更や人があまり狙わないポイントを狙うなど若くしてその釣技は多彩です。
今回はグレ竿を使用し、鍛えられた剛腕でチヌに有無を言わさぬストロングスタイルのやり取りで藻場の釣りを攻略。接戦をものにして決勝戦へ。
☆髙橋 武選手 ・広島県30歳
3日連続の釣りで疲労困憊の中、またも間違えて決勝戦へ。。。
ギャラリーとのマシンガントークと大きな笑い声で他の選手の集中力を欠くという、釣り以外の姑息な技で決勝戦へ進出しました。
決勝戦は「吉田磯」と呼ばれる名礁で、釣り合いになること間違いない磯だそうです。
1ラウンド目は干潮で潮が動いておらず、藻際から駆け上がりにかけての砂地を狙います。
1投目から指が攣り、1ラウンド途中からは腕も攣るというハプニングに見舞われ、なかなかいいスタートが切れません。
そんな中、高須賀選手と山元選手が1~2匹を釣りリードされてしまいます。
風で仕掛けが流されるのでCORESSA FABULOUS 00を使用し、沈めて探るとすぐに釣れ、何とか食らいついていきます。
2ラウンド目で私は本命ポイントに入るも針ハズレを連発し、1匹しか釣れず、他の選手に突き放されてしまいます。
3ラウンド目で潮通しの良い浅場に的を絞り、黒魂アクセル Bで仕掛けを立てて沈み瀬にぶつけるように仕掛けを流し決勝終了間際にアタリが連発!
しかし、針ハズレを繰り返してしまい、追い上げならず2匹を追加して終了となりました。
検量の結果
優勝は5匹5000gを釣った高須賀 裕太選手。
チヌがしっかり食い込むアタリを棒ウキで捉え、良型も交えながら掛けた魚を確実に取り込みました。
初の決勝戦だったようでかなり緊張の様子でしたが、釣りが始まるとすごく落ち着いており、ギャラリーからも良い釣りだったと賞賛する声も上がり今後が楽しみな選手です。
おめでとうございます。
2位は4匹3525gで私、髙橋 武選手。
終始針ハズレに苦しみ、最後の1投でもバラしてしまいギャラリーからの笑いも取りました。
今後はもう少し落ち着いた釣りで、しっかりと水分補給をして、日々練習して出直します。
3位は5匹3290g山元 優希選手
ストロングスタイルが裏目に出てしまい、私と同様に針ハズレを多発し、サイズにも恵まれず3位に甘んじてしまいました。
ですが、昨年の第2回大会でも決勝戦へ進出するなど確かな実力があり、彼の釣りを見て多くの若手が影響を受けるほどの素晴らしい釣りを展開されていました。
これから頭角を現すこと間違いない存在です。
閉会式でも終始和やかな雰囲気で参加者の笑顔や喜ぶ姿が印象的でした。
また、今大会のサポートをしていただきました石村仁さんの各選手へのアドバイスや総評は大変ためになるもので参加された皆さんはとても勉強になったことと思います。
全試合を通じて釣果なしの引き分け試合も無く、魚島のポテンシャルの高さと選手の技量と豊かな海に驚かされる1日となりました。
また、最後まで釣りもせず我々選手のサポートに徹してくださった運営役員の皆様、御協賛頂きました各メーカー様ならびに個人の皆様、参加された選手の皆様、安全かつ釣果の見込める磯へ渡してくださった「三上渡船」様、関わった全ての皆様本当にありがとうございました。