第13回 シマノジャパンカップクロダイ(チヌ)釣り選手権大会ファイナルレポート
2025年5月12日~15日に渡って山口県周南市徳山に、各地から予選を勝ち上がってきた選手26名と前年度シード選手4名の計30名の選手が集まり、決勝大会が開催されました。
12日は抽選会及び懇親会が「ホテルサンルート徳山」の広々とした会場で執り行われ、美味しい料理を堪能しながら、抽選会が行われ初日の対戦者が確定しました。
翌日の予選はマンツーマンで対戦者を替えて3試合が行われ、勝点上位8名が翌日のトーナメント戦へと進出できます。
宿泊したホテルから出港地となる下松港は目と鼻の先にあり、全国トップクラスのチヌの魚影が濃い徳山湾一帯で試合が行われます。
私自身、徳山湾での釣りは殆ど経験がなく、キザクラリージョナルアドバイザーの高橋武君にお願いして、全国出場のメンバーや昨年全国大会で一緒した地元等の釣り人に声をかけてもらいゴールデンウェークの2日間で、ジャパンカップルールに乗っ取ったチヌ釣り合宿を段取りしてもらいました。
今年は全国的に海水温が低い状況が続いており、徳山湾のチヌも場所ムラが激しく数もあまり釣れていませんでした。
2日間の合宿で、なんとなく釣り方の把握は出来ましたが、こればっかりは自然が相手なので、本番でどのような状況になるか分からないし、どんな釣り場に上がるか分らないので、ロッドケースには、全層も半遊動も手早く対応できる、環付きウキがセット出来る仕掛けと、いつもの全層沈め釣り用に黒魂King 00号をセットした、2パターンのタックルを準備していました。
私の第一試合目は広島の小島さんでした。
この試合では黒魂R2 EVO(00号)に全層ホルダーWR 浅場用をセットして沈め釣りで狙うことにしました。
競技時間は前後半各1時間で釣り座交代の2時間です。
競技開始後、エサ盗りの反応もなく互いにノーヒットのまま後半終了5分前となりました。
これまでマキエを入れ続けていた、足元近くの掛け上がりと沖目のポイントをあと1投づつ攻めようと、掛け上がりに仕掛けを入れて待っていると、残りあと3分となったくらいで、何やら道糸が怪しい動きをしているではないですか。
ゆっくり道糸を張ってやると、微妙に重みを感じたのでそのまま穂先で利いてやると、グンッとチヌからの反応が返ってきました。
慎重にやり取りして、終了1分前で取り込み完了。
なんとか第1試合目を勝つことが出来ました。
帰港して検量を終えると、すぐに別の船に荷物を積み替え出港です。
2試合目は高知の善万さんとの対戦です。
この釣り場では、見た感じ水深もあり海底には岩場が点在しているようなので、黒魂DETの3Bを使用した半遊動仕掛けで狙い、これが功を奏して2勝目です。
3試合目は、シマノテスターの百合野さんとの対戦です。
この試合は、開始早々百合野さんが小型のチヌを仕留め、その後は釣果なしで私の敗退でした。
帰港後はホテルでシャワーを浴びて、結果発表と懇親会の始まりです。
3勝している選手が2名、2勝1分けが2名は確定、残り4枠を2勝1敗の選手で重量差が大きい順から分け合うのです。
もうドキドキなんです。
5番目に名前を呼ばれたのは、岡山の矢吹選手(優勝経験者)、そしてその次に私の名前が呼ばれました。(ホッ)
これで翌日の準々決勝のトーナメント戦に進出できます。
準々決勝に勝てばシード権を獲得できるので気合が入ります。
大好きなアルコールも程々にして、翌日の準備を済ませ就寝します。
準々決勝では初日3勝した広島の米本さんとの対戦です。
仕掛けは2試合目と同じ黒魂DET 3Bの半遊動です。
1ラウンド目は私の釣り座は強烈な当て潮で釣ることが出来ず。
米本さんもノーヒットで前半終了の釣り座交代となりました。
後半戦、当て潮も緩んで来て釣れそうな感じとなりました。
ここで待望のチヌがヒットしました。
さらに潮も緩くなりましたが、アタリが無いので黒魂R2 EVO(00号)に交換して1尾追加出来て勝つことが出来ました。
これで翌年のファイナルシード獲得です。
準決勝は昨年覇者、熊本の辻さんを撃破した広島の吉岡さんとの対戦です。
前半戦、私の釣り座の前一面にゴミや藻が押し寄せてきて殆ど釣りにならず。
吉岡さんは3尾のチヌを仕留められました。
これはコテンパンにされるかもと思いましたが、釣り座交代するとゴミもなくて潮も良い感じです。
ここでは黒魂DET 3Bの半遊動でなんとか4匹仕留めることが出来ましたが、吉岡さんは5匹のリミットメイクをしておられました。
後半残り時間も1分ほどとなった頃、私のウキにアタリが出ました。
合わせるか完全にウキが見えなくなって合わせるか迷いましたが、途中でエサを離すことが多かったので、ラストチャンスと思い合わせる角度を変えてやると、これが成功してロッドが弧を描きました。
そして、終了のホイッスルと同時に取り込むことが出来、これで5対5となり、検量するまで結果が分からなくなりました。
帰港後検量すると、なんと223グラム差で私が勝ってしまいました。
ジャパンカップクロダイ史上初のV2まであと1勝です。
決勝戦は兵庫県の笹野さんとの対戦となりました。
釣り始めは、黒魂DET 3Bの半遊動でやりましたが、ウキが入っても途中で針が外れたり、空合わせになったりするので、チヌは浮いていると判断して、黒魂R2 EVO(00号)に替えて上層から探っていくと、これが正解で次々にチヌがヒットし、前半戦で5匹のリミットメイクが出来ました。
後半戦は、ツケエのローテーションをしながら、サイズアップしたチヌで入れ替えも出来て、1666グラム差で念願のV2一番乗りを達成することが出来ました。
ジャパンカップクロダイ第10回大会で優勝、第11回大会3位、12回大会ではベスト8まで行ったものの、準々決勝で負けてシードを失いましたが、天草予選でファイナル出場権を獲得して4大会連続出場となり、今大会は2回目の優勝という最高の結果となりました。
今大会の勝因は競技時間も短いので、釣り場の状況やチヌの動き具合によって仕掛けを即座に変更出来た点も大きいと思います。
通い慣れない釣り場だけに、いつもの釣り方に固執していたらきっと勝てなかったでしょう。
色んな状況に対応できるアイテムが揃っているキザクラ製品に助けられたと言っても過言ではありません。
来年はシマノジャパンカップクロダイV3を目指して、これからも精進して行きたいと思います。
最後に、主催者のシマノ様、また大会運営に尽力いただいたスタッフの方々、選手の皆様に感謝いたします。
長文をご覧いただきありがとうございました。
キザクラインストラクター 波多江義孝