U35若手グレトーナメントを2024年9月15日に山口県笠戸島にて開催しました。
今大会は年齢制限を35歳以下に限定し、若手磯釣り師の親睦と交流・技術とマナー向上を目的としたトーナメントです。
開催された山口県笠戸島一帯は瀬戸内海でもグレの魚影が非常に濃く、手返し・サイズアップをする方法・撒き餌ワーク・キャストの練習には最適なエリアです。
メインサイズは25~30センチほどですが、時折35~40㎝のグレも釣れます。
なので、若手世代にとっての「腕試しの場」として最適ではと期待を込めて笠戸島を開催地とさせてもらいました。
当日は猛暑が予想されたため、暑さ対策を十分にして運営を行いました。
愛知県や宮崎県からもご参加いただき、中国・関西・四国地方と広い地域からお越しいただきました。
また、今大会の最年少は21歳と大変フレッシュな顔ぶれも来てくれました。
選手の中には全国大会の出場経験や各地で腕を鳴らす選手も居られ、どのような結果になるか予想が付きません。
ちなみに今回は私も選手兼役員として参加させていただきました。
開会式では交流の一環として今大会独自の習慣で選手全員の自己紹介をしてもらいました。
前情報ではキーパーサイズ(23㎝以上)に満たないコッパグレが大変多く、それらをかわしながら、いかにキーパーサイズ以上のグレを釣るかが試されるとのこと。
さらにチャリコ(小さいタイ)や高活性のチヌなどのエサ取りに手を焼くかもしれないとのことです。
1回戦では2人試合で1時間ハーフの2時間試合でしたが、2回戦以降は3人試合で40分×3セットの2時間となり、短時間決戦となります。
そんな時間的にも暑さ的にも厳しい状況の中、ほとんどの磯で釣果が有り、1回戦から熱戦・接戦が繰り広げられました。
決勝戦進出されたのは以下の3名です。
☆「高岸 大輔選手」 (山口県 34歳)
開催地である笠戸島周辺をホームとする地元選手で1回戦こそ苦しい立ち上がりだったものの、2回戦で練り餌を駆使し快勝、日ごろから練習してきた地元の強さと今大会最年長の意地を見せつけ決勝にコマを進められました。
☆「吉村 理玖選手」 (広島県 23歳)
普段はチヌ釣りや寒グレをメインに釣られているとのことですが、釣りセンスと状況判断能力の高さで1回戦から圧倒的な釣果をたたき出し、足長カン付きウキと若手の勢いを武器に難なく決勝へ進出。
☆「髙橋 武選手」 (広島県 29歳)
役員をしなければならないはずの私が間違えて残ってしまいました・・・
予選リーグから対戦相手の集中力を欠くマシンガントークと心理戦で勝ち上がるという釣技以外で勝つ情けない戦術で決勝戦へ・・・いずれも接戦を辛くも勝ち上がることができました。
いずれも手練れで熱戦必至の決勝戦になりそうです。
12時頃、名礁「竜宮の先端」にて決勝戦の火ぶたが切って落とされました。
海へ向いて右から私、中央に吉村選手、左側の先端に高岸選手の立ち位置からスタート。
1ラウンド目開始早々は3名とも静かな立ち上がり。
開始10分が経過したころ、釣るのが難しいとされる先端側で潮が落ち着いている隙に高岸選手が先制。
その5分後、グレの出てくる距離感を探っていた吉村選手も後に続きます。
この磯は無数のコッパグレが海面下で見えたり、グレが海面を割って出てくるほどの高活性状態のことが多くあるのですが、この日は低調な滑り出し。
開始25分遅れを取りましたが、最初の1匹を私も釣り一安心です。
手前から反応を伺ったもののサシエが残るので遠投したら釣れたので、沖をベースに釣りました。
そこから立て続けに釣ることができ、それまでリードしていた高岸選手とほぼ互角にまで持ち込み2ラウンド目へ。
2ラウンド目
釣り座を時計回りで交代し私が左側の先端、真中へ高岸選手、右側へ吉村選手の並びです。
交代前から先端側の潮が動き始めたようで、足元のヨレや少し沖の流心を探るも反応は無く、潮の流れと並行になるよう釣り座の向きを変えました。
グレの活性が追い付かず潮の中まで入ってこず、潮の落ち着く30m沖の引かれ潮を釣るようにしました。
2ラウンド目も低調でいずれの選手も苦戦を強いられました。
私もアタリの無い時間が過ぎていましたが、20分が経過したころから引かれ潮と本流のカベに狙いを絞りました。
風と潮の角度がちょうどよく折り合い、仕掛けが落ち着いたときにポツポツ釣れました。
3ラウンド目
2ラウンド目に高岸選手の釣りを見ていたギャラリーから「グレが見える!」と声が聞こえていたので期待を胸に釣り座を交代しました。
交代して2投目、グレらしきアタリがあるもののサシエを離したので、今回参加された大分勢から習った釣り方を実践し、小アタリを無視ししっかり食い込むアタリだけを取り、釣果を積み重ねました。
終始笠戸島らしからぬ低活性のまま決勝戦が終了しました。
結果
優勝・釣果は4320g 私「髙橋 武」
強運と数年前に通った地の利を生かし、ギャラリーと漫談を繰り広げながら緊張感を解いてラフに釣ったのが勝利に繋がりました。
2位・釣果は2380g「高岸 大輔選手」
ギャラリーから聞こえる声と地元の気負いもあり普段の釣りができず惜しくも2位に。
しかし、的確な撒き餌ワークと状況判断は練習を積み重ねている証。
最年長らしい落ち着いた釣り姿は確かな実力を感じさせてくれました。
3位・釣果は1900g「吉村 理玖選手」
慣れない数釣りと初の決勝戦という緊張から焦りが隠せず、空振りしていた様子でした。
しかし、吉村選手が展開するハイセンスな釣りと軽快な動き、冷静な状況判断は今後頭角を現すこと間違いなさそうです。
今回の大会を終え、振り返りましたが20㎝足らずのコッパグレが多く、キーパーサイズの活性が上がり切らない状況でした。
限られた時間で与えられたフィールドを最大限に探るため、テンポよく広範囲を探ることが求められたように思います。
そこで「Panther SINUS J6」を軸に使用し、ガン玉を段打ちし、仕掛けを狙いのタナまで届け、しっかり食い込んでサシエを離さないキーパーサイズを狙ったのが功を奏したように思います。
「Panther SINUS」を選択した理由ですが、
・自重があるため遠投ができること。
・ウキ止めがアンダーキャッチリングで止まることでコッパグレにサシエを引っ張られてもウキ止めが抜けず、タナを維持することができること
・アンダーキャッチリングとウキの形状からシャープなアタリを出してくれること。
・ネリエを使用しても狙ったところへ飛ぶ安定した飛行姿勢。
・アタリの状態を伝えてくれる感度の良さ。
以上から選択させていただきました。
ウキの性能の高さで助けられた1日となりました。
最後になりましたが、今大会をするにあたり関係者の皆様にご支援・ご協力を受け賜わり開催に至っておりますことをこの場をお借りし御礼申し上げます。
また、選手の皆様の配慮で事故や怪我もなく1日を終えることができました。
ありがとうございました。
今大会をするにあたり、全面協力をしてくださった笠戸島一帯へ運んでくださる渡船「栄勇丸」様には格別の感謝をしております。